« #今日のバント 4月のまとめ | トップページ | 「艦これ」開発/運営からのお知らせ20170502【イベント関連】 »

2017年5月 2日 (火)

リスクとリターンと『リスク神話』のこと

学校の授業におけるプールでの飛び込み事故について

 

<ストップ プール事故>「飛び込み禁止 どうなのか」 鈴木大地・スポーツ庁長官 2017年3月7日

 水深が三メートルあれば、まったく事故にはならないだろう。だが維持費や建設費の問題もあり、水深が浅く、小さな子も使えるようにと、プールの構造上の問題があったと思う。
 飛び込みという行為は楽しみでもある。飛び込みを思い切りできる環境や指導者の資質整備が大事。一メートルのプールでも飛び込みの練習はできる。指導法が問題で、質の高い教員を採用することが大切。スタート台からは技術を要するので、最初は水面に近いところから段差がない形で飛び込みをする。なんでもかんでも危険だからと全面禁止し、もやしっ子を育てあげていくのはどうかなと思う。
 水泳はできないと、いざというとき生命の危険にさらされる。「水辺は怖いから近づかない」「飛び込みは危ないから全面禁止」では、もやしっ子を育てることになる。危険を模索し、回避しながら臨機応変に対処し生きていくための授業であり部活であり、スポーツ活動だ。水深に応じた指導法があるので、十分に注意は必要。
 児童期は体が成長するし頻繁にやっていないと、一年に一回ちょっとだけでは危険なことは避けた方がいいかと思う。難しいが全面禁止ではなく、段階を踏んでの指導が重要。

 

もやしっ子の部分ばかり取り上げられがちですが、アスリートとしての意見と行政庁の長官の部分とでバランスを取ってお話しになられている印象。

 

学校プール「飛び込み禁止」…スポーツ庁が要請

 小中学校は授業中の飛び込みが認められておらず、改めて徹底を要請。高校は生徒の能力や技術に応じた指導を求めた。高校の指導実態については近く全国調査も行う。
例年、プールの授業が始まる前に設備や指導の安全確保を通知しているが、昨年も飛び込みによる事故が続いたため、別紙を添付して注意を促した。別紙では入水角度が大きい危険な飛び込みをイラストで紹介。特に小中学校は学習指導要領で、水中からのスタートのみを指導し、授業での飛び込み指導は行わないとされており、その点を改めて強調した。

ということで、そもそも指導要領では小中学生に飛び込みをさせないことになっています。この手の話になると「危険の排除ばかり考えてはいけない。危険を教えて育てないと」というご意見がしばしば見られるわけですが、水泳での飛び込み事故のように事故になってしまえば重大な障害を引き起こすリスクに対して「飛び込みができる」ことのリターンがあまりに小さすぎます。むしろ「身の安全をはかる」というのを考えるとすれば、着衣水泳や水難救護に取り組んだほうがいいような気もします。

どうもこの辺の話には「子供は危険に晒して育てねばならない」というような、一種の『リスク信仰』のようなものがあるように思います。ではそういった考えに基いて教育をするとして『危険度の見積もり』『事故時の責任』『事故被害にあった児童のケア』『正しい技術指導』といったものが存在しているのかどうか、存在しうるのかどうかというところはすっぽり抜けたままになっているのではないでしょうか。(存在するなら教育指導要領等々に記載されるはずなので)

公教育で行うからには児童自身がそれを避けるというのは基本的にはできないので、避けるべき危険は教える側がしっかり考えねばならないと思う次第です。で、鈴木大地長官はそれをしっかりお考えになられたのではないでしょうか。

 

スポーツ庁の要請に反対のご意見の例

このような、何でもかんでも禁止をさせるような締め付けは、スポーツ庁の意味をなしていないような気がします。

はぇ〜貴様らはなんでも禁止すれば良いって思ってんのかこのキチげぇども。ある程度できる奴に飛び込みさせろ

飛び込み禁止や学校で登山の禁止に賛同してる奴いるがこんな何でもかんでも禁止にしてたら数年後にはオリンピック選手や登山家に「学生が真似したらどうするんだ!止めろ!」みたいなクレームが飛び火するかもしれないんだぞ?

飛び込み教えなかったらいつまでも危険な飛込みやるんじゃないかなぁ…。

小中学生の自転車でもそうですが、正しい方法や規則を「教える」のでなく「禁止」してしまうから、結果誰からも教わらない(知らない)ままやって大ケガになるのではないでしょうか

指導の仕方が悪いだけでしょ(笑)

鈴木大地さんが長官でしょ?。スキル面主導かと思ったら単なるリスク管理ね。誰でもできる簡単な長官のお仕事か?

今更何言ってんの?禁止じゃなくて正しいのを指導しようよ。

単純に禁止するんじゃなくて、ちゃんとした飛び込み方を指導するんじゃダメなんでしょうかね?問題が起きるから禁止、ではなく事故の起こらないように指導してこそ教育なんじゃ?

ウォーターボーイズが発禁になるのか

 

スポーツ庁の要請に賛成のご意見の例

小1の頃、川で水深3メートルぐらいのとこで岩から飛び込みをさせられてたからね。それも親父からね。

飛び込みの仕方を知ってたから学校のプールでは一切飛び込みしなかった。ちゃんと教える事も大事だと思うけどね。

遅いよなあ。うち(家庭教育)では、絶対飛び込むなと言ってきた。

学校のプールは浅いもんな。しょうがない。

日本のプールは浅過ぎるのだろ。飛込みするなら2m位必要。

学校体育で命がけの技術を教える必要なんて全くないと思います。

スポーツにゼロリスクは不可能だけど、明らかに危険度が高いものは避けるのが当然。

体格変化にプールの設計が追いついてない。スイミングスクールでも飛び込みなんて指導しないし。

これはほんま危険。大昔のプールは深かったけど今は特に小学校は浅いプール多いし。ってか児童の公式記録会でも飛び込む必要ないもん。

そもそもそんなの教えなくてもなんか困ることあるのかね…

教師が安全かどうか判断できないレベルなんだから中止するしかないわな

|

« #今日のバント 4月のまとめ | トップページ | 「艦これ」開発/運営からのお知らせ20170502【イベント関連】 »

カワタカ技研日誌」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: リスクとリターンと『リスク神話』のこと:

« #今日のバント 4月のまとめ | トップページ | 「艦これ」開発/運営からのお知らせ20170502【イベント関連】 »