☆ 【成年コミック】 スミヤ 『Lycoris』
個別タイトルを挙げるのはいいけど、実際のところネタバレを避けると書く内容は非常に薄くならざるを得ない。特に話を読ませる系の作品はエロシーンの内容云々を記すのが適切なのかどうか。
同じ日に買ってきた『しょーらぶ』はロリっ娘の「柔らかさ」をメインに描いている印象ですが、こちらは「壊れてしまいそうな繊細さ」を描いている感じ。
モノクロ作品については榎本ハイツ先生の初期作品に絵とかが似てる気がします。

酉かw…じゃなくて榎本ハイツ先生はもうエロでは描かないのかな……
などという嘆きはさておき。
LOで掲載された作品を中心に、LO未掲載作一本と描き下ろし一本。短いながら、冒頭三作はカラーと充実した作品となっています。これが著者の単行本としては二冊目。既刊は「Romareda」で、今回が二作目となります。
「冬が寒くて」はカラーの掌編。冬の寒さを二人で暖め合う兄と妹が描かれています。暗い部屋に服の赤と雪の白が印象的。
「ハナゾノ」もカラーの掌編。花の盛りで少女の成長途上の時期を例えた作品。ポニテのメガネっ娘とはエロくてよいですね。
「マツリノハジ」は夜の闇に乗じて三人プレイ。闇に浮かび上がる肌の白と着物の赤が美しい。白いものというと別のものも加わりますけども。
「オハナシ」は教師を狼、生徒を羊に例えた劇中劇的なお話を元に進みます。まあ、狼が羊をいただいちゃうというけしからん話です。ほんわかした女の子の蕩けるような表情が非常にエロくて使用度満点ですな。
「ふたりはライバル」は、幼馴染との喧嘩のたびに寝技をかけられるものの傷一つ負わないことに気付いた空手少女が逆襲に向かうお話。なんというかツンデレのお手本的なストーリー。胴着の半脱ぎはエロい。後で全部ぬいじゃうのがちと残念。
「月の姫」は不幸な境遇から放蕩に走る姫君とそれを諌める従者。貪るように淫らな遊びに耽る姫君が「大事にされる」とはどういうことかを知る非常にいいお話。作風の特徴である「壊れそうな繊細さ」をうまく活かしている作品です。
「アタシノモノ」はお付き合いを申し込まれると誰彼かまわずOKしてしまう高遠さんが、逆に彼らのものになっていく様子を描いた作品。やっぱり体育倉庫といえば、屋上・保健室と並んでエロい場所ですな。
「ラヴリーゴースト」は、病院に伝わる幽霊の噂にまつわる悲しい恋の顛末を描いた作品。「死んだ女より哀れなのは忘れられた女」とはまさにこのことかと。
「花火の灯り」は義父から性的虐待を受ける少女と、その弟の慰め合いを描いた作品。頼るもののない子供のささやかな抵抗と、僅かに見えた希望が打ち消される際のさらなる絶望感。
「なぞなぞ」はストレートな好意を互いに伝え合う甘酸っぱい感じのお話。僕にとっては、こういう話のほうが空から女の子が降ってくるよりもファンタジーですよ……
「condo」はLO未収録作品。本格的なエロに突入する前に、コンドームがないのに気付いて買いに行くという甘酸っぱい感じのお話。僕にとっては、こういう話のほうが空から女の子が降ってくるよりもファンタジーですよ……
「目次」を挟んで「エンドロール」「あとがき」へと続きます。「エンドロール」では収録各話の後日談が描かれており、本編では救いのない終わり方をした話の登場人物も、概ねハッピーエンドを連想させる「その後」が用意されています。ハッピーエンド好きとしては申し分ないのですが、堕ちていく様やバッドエンドや絶望感といったテイストをお求めの方にとっては蛇足かもしれません。
冒頭の三作で顕著に見られる、色使いや作風の「暗さ」が印象的。ただ、それが登場する少女たちの「白さ」や「繊細さ」をより鮮やかに浮かび上がらせている趣があります。表紙や裏表紙の絵で選ぶとモノクロ作品との違いを感じるかもしれませんが、カラーの美しさはそのまま。
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