« 腐った木鐸は鳴らない | トップページ | 全開!!京成杯と日経新春杯2009 »

2009年1月15日 (木)

児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律改正に関する公開質問状と回答

昨年12月に子どもの人権と表現の自由を考える会が各党に公開質問状を送付。期限内に回答があった内容をアップしたそうです。

児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律改正に関する公開質問状

各政党の回答の有無および回答内容は以下を参照

無回答だった政党一覧
自民党
社民党
新党日本
ご回答いただけた政党一覧
民主党
共産党
国民新党
公明党

 

で、質問-回答の対応と各党の回答比較のため一問ずつにまとめてみました。

1.児童ポルノ法全体についてお聞きいたします。

1-1: 本年は3年を目処に改正される児童ポルノ法の改正年であることをご存知ですか?

民主党
 2008年は、前回2004年の法改正後4年が経過し、見直し時期を迎えています。


共産党
 児童ポルノ法附則第2条によれば、「この法律の施行後三年を目途として……検討が加えられ……必要な措置が講ぜられるものとする」とあります。これは、2004年の法改正後の施行を起点としていますから、「施行後三年」は、2007年にあたると承知しています
国民新党
 本年3月が、児童買春・児童ポルノ処罰法の改正年となっていることは承知しております。


公明党
 現行の「児童ポルノ禁止法」(平成16年7月8日施行)では、「この法律の施行後3年を目処として、(中略)検討が加えられ、その結果に基づいて必要な措置が講ぜられるものとする」と規定されており、これをふまえて公明党は本年、改正へ向けた議論をしてきました。

1-2:現在の児童ポルノ法は、被害者の救済や児童ポルノの頒布禁止等を盛り込んだ個人法益でありますが、改正議論において社会性風俗を取り締まる様な社会法益に変質させようという動きがありますが、個人法益を社会法益に変質させてしまって、本来の目的であるはずの子どもの人権は守れるとお考えですか?

民主党
 民主党は、2008年6月11日に児童買春・児童ポルノ処罰法改正案骨子を発表していますが、その中でも本法が風俗犯罪処罰法ではなく、あくまでも児童に対する性的搾取・性的虐待から児童の権利を保護するための法律であることを明確にする観点から、「児童ポルノ」の用語を「児童性行為等姿態描写物」と改めることを検討しています


共産党
 児童ポルノ法の制定趣旨は、被害に遭う子どもをただの1人も生みださないことであり、万一、子どもが性的被害に遭った場合には、万全をつくして被害者の保護・救済をすすめ、尊厳を維持するところにあると考えます。そうした立場から、児童ポルノ法を、性風俗を取り締まるようなものに改定することには賛成できません。
国民新党
 現行法は、被害児童の人権保護を主眼としており、この点は今後とも堅持していきたいと考えております。


公明党
 児童ポルノは世界的な犯罪であり、擬制になった子どもたちの心に深い傷が一生残り続けます。公明党は子どもたちを守るため、そして人道、人権擁護のためとの本来の目的に立ち児童ポルノの氾濫を阻止しようと与党での改正議論を進めてきました。

1-3:現在の児童ポルノ法において約束された被害者の救済施設等について、児童ポルノ法自体の管轄省庁が決定しておらず、予算も付いていない為、児童ポルノ法が制定されてから9年間、被害者の救済がまったく為されていない現状をどうお考えですか?

民主党
 民主党は、被害児童に対する保護の措置としては主として児童福祉法に基づく措置が実施されることから、厚生労働省が所管し、その中心的な実施主体である都道府県、児童相談所、福祉事務所、市町村を関係行政機関の例示として規定することを検討しています。
共産党
 被害者など個人のプライバシーの保護には万全の注意と配慮がもとめられますが、被害の現状、被害者の実態の全体状況について、行政当局からいっさい明らかにされていないことは大きな問題だと考えます。このことは、裏を返せば、被害者の救済や保護が、被害の実態に即してきちんとおこなわれていないということになります。児童ポルノの問題がこれだけ社会的に議論されているだけに、まず、早急に所管官庁を明確にし、そこで被害の実態を正確に把握し、被害者の救済状況の報告、点検がおこなわれる必要があると考えます。


国民新党
 法務省・警察庁・厚生労働省の共管と認識しております。


公明党
 児童ポルノの被害者については、例えば、親によって被害にあった場合は、児童相談所において一時保護をするなど、個々の事案ごとに必要な保護のための措置を適切に講じることになっています。

1-4:米国では創作物に対する規制についてはすでに連邦最高裁判所で違憲判決が出ており、先進国の間でも創作物に対する表現規制をかけている国はカナダだけとなっていますが、創作物における表現について、科学的・学術的データも無しに規制する事に法的妥当性があるとお考えですか?

民主党
 創作物については、検討中の事項です。
共産党
 社会的道義的な問題とは別にして、創作物にたいして一律に法的な表現規制をかけることには慎重でなければなりません。また、もしかりに規制をかけるような場合でも、十分、科学的・学術的な知見・根拠をふまえたものにすべきだと考えます。


国民新党
 上記1-2のとおり、被害児童の人権保護が主眼であり、架空の創作物については、原則として規制の対象外と考えております。


公明党
 本年、与党でとりまとめ、国会に提出した「児童ポルノ禁止法」改正案では、検討事項として、政府に対して、児童ポルノに類する漫画等(漫画、アニメ、CG、擬似児童ポルノ等)と児童の権利を侵害する行為との関連性に関する調査研究を推進するように規定し、この法律の施行後3年を目処として、その調査研究の状況等を勘案しつつ検討し、その結果に基づく必要な措置を講じることとします。

1-5:多くの規制賛成団体は環境誘引説のような、学術的に既に否定された説を持ち出し、明確なデータも提示せぬまま感情論だけで国会議員を取り込む等の行動を行い、規制推進派議員を生み出す等の行動を取りましたが、立法に携わる者として明確な論拠も無いまま、感情だけで国民全てを規制するような法律を制定しようとする行為をどう考えますか?

民主党
 民主党としては、可能な限り、現状を把握、調査し、現行法や他法との関係などを含め、慎重に検討をしています。
共産党
 現在インターネット上に流布されている児童ポルノは、そのほとんどが現行法によって取り締まることが可能です。
 児童ポルノ法第7条では、「児童ポルノを提供し」、それを目的として「製造し、所持し、運搬し、本邦に輸入し、又は本邦から輸入した者」にたいして、「三年以下の懲役又は三百万円以下の罰金」がかけられることになっています。
 これを厳格に運用するなら、ネット上に流れているほぼすべての児童ポルノを一掃することが可能となります。
 一方、児童ポルノ法で単純所持を一律に規制したり、漫画・アニメーションなどの創作物も規制対象にくわえたりすることは、児童ポルノ問題の解決に役に立たないだけでなく、逆に、人権の侵害や表現の自由の萎縮につながりかねません。
 第1に、たとえ単純所持を法律で一律に規制したとしても、児童ポルノの流出の効果的な歯止めにならないことは、単純所持を禁止しているはずの欧米各国の実態からも明りょうです。
 よく、「主要8カ国のなかで児童ポルノの単純所持を規制していないのは、日本とロシアだけだ」と指摘されます。しかし、現にインターネット上に流出している児童ポルノ(児童虐待)の動画像は、単純所持を禁止している欧米諸国からのものが圧倒的に多数です。
 たとえば、イタリアに本拠をおく児童保護団体の「虹の電話」による調査(2007年)では、児童ポルノの国別サイトの順位では日本が7番目の457件となっています。
 一方、日本より上位の6カ国は、ドイツ、オランダ、アメリカ、ロシア、キプロス、カナダとなっており、このうち、上位3カ国のドイツ、オランダ、アメリカだけで、全児童ポルノサイト(3万9418件)のうち、実に約85%の3万3303件を占めます。
 これら3国は、いずれも児童ポルノの単純所持を禁止している国です。このことをとっても単純所持の禁止や規制が、児童ポルノ流出の歯止めにならないことは明らかです。
 第2に、ネット上に流出していないにもかかわらず、単純所持を規制し、それを処罰するという場合、どのようにして単純所持を証明・把握するのかという問題があります。
 このことは、「憶測」や「疑惑」の段階から取り締まりを可能にすることにつながりかねず、結果として、捜査当局の恣意的な捜査を招く危険があります。また、表現の自由や、家庭生活上の記念写真などと児童ポルノとの関係なども考慮しなければなりません。


国民新党
 私ども国民新党は、日本の将来にとって有益なものであるかどうかという観点から個々のケ-ス毎に判断しております(国籍法改正については我が党のみが反対しました。)。


公明党
 1-4と同じ

2.単純所持規制について詳しくお聞き致します。

2-1:公聴会等における質問で、法務局の担当官が『子どもの頃の自分の水着写真等を、成人が自己の意思でWEB上に公開しても、頒布罪にあたると思われる』『写真の中の自分は傷ついているはずだ』等の支離滅裂な受け答えを行い、単純所持規制が行われれば『家族写真であっても逮捕等の対象になりうるかもしれない』という不安がインターネットユーザーを中心とした国民の間にあります。また、『疑われるような写真は家族写真であっても撮らなければいい』等の非常に強引で人権を無視した発言も、規制推進派の中から聞かれます。このような流れを受けて、冤罪を防ぐ為にも児童ポルノの定義の厳格化を行う意志はありますか?

民主党
 民主党は、定義を明確化することにより、可罰的でない事案については処罰されず、可罰的な事案については厳正に対処されることが可能となるような検討を進めています。
共産党
 あります。


国民新党
 単純所持を違法とすることについては、違法捜査の範囲を無制限に拡大しかねない問題を含んでおり、現在、直ちに「定義の厳格化」を進めるつもりはありません。


公明党
 どのような場合であっても冤罪はあってはならないものです。また、「児童ポルノ」の定義については、現行の「児童ポルノ禁止法」に規定されているとともに、判例等でも明確になるなど現行法上で不都合はないと考えています。

2-2:また『将来的にアニメ・マンガ・ゲーム等についても厳しく規制される』との不安が、業界に携わる人々・それらを趣味としている人々の間に広まっています。そのような被害者のいない創作物に対して、明確な根拠もないまま単純所持規制をかけるべきだと思いますか?

民主党
 創作物については、検討中の事項です。
共産党
 そうしたアニメ・マンガ・ゲームについて、党としては批判的な視点と立場をもっていますが、そのことと、それらの所持や創作などを、法律で一律に規制することとは別のことです。単純所持を法的に規制することには慎重であるべきです。
国民新党
 単純所持や架空の創作物については、原則として法規制の対象とすべきものではないと考えています。
公明党
 1-4と同じ

2-3:仮に創作物に対する単純所持規制を行った場合、規制の対象はどのような表現を扱った場合行うべきであると考えますか?また、よろしければそのような線引きを行う根拠を提示してください。

民主党
 検討中の事項です。
共産党
 すでに指摘したように、ポルノを題材とするような創作物については、社会的道義的な視点・立場から批判の対象にすべきであって、法律で一律に規制することについては、慎重であるべきだと考えます。
国民新党
 上記のとおりです。
公明党
 1-4と同じ

3.虐待被害児童に対する保護体制・それらに関連する出来事についてお聞きします。

3-1:現在、親による子殺し・虐待等がマスメディアを大きくにぎわしています。

設問1-3:と関連し、可及的速やかに虐待被害児童の救済を行える体制を作ると共に親に対する子育て教育施設等の整備も重要であると考えますが、親に対する子育て支援に関して、具体的な支援策をお持ちでしょうか?

民主党
 親への支援も重要な課題だと考えています。現状の児童相談所等で行われている親への支援等を中心に、予算・体制の充実を含めて検討して検討していきます。


共産党
 きたるべき総選挙にむけた選挙政策で、「安心して子育てできる社会にするために」という項目で、以下のような内容の政策をかかげています。
→安心して子育てできる社会にするために…男性も女性も仕事と子育てを両立できる働き方にしていきます。長時間労働の是正、正規雇用の拡大とともにパート、派遣社員への均等待遇の確立、子育て中の夜間・休日勤務、単身赴任の制限などをすすめます。
→妊娠、出産による解雇や不利益な取り扱いをなくし、育児休業を男女ともに取得しやすいように所得保障を6割に増額します。
→子育てへの負担を軽減するために、児童手当を当面小学校6年生まで月額1万円に倍増するとともに、支給対象の18歳までの引き上げをめざします。
→政府がすすめている公的保育の切り捨てをやめ、「保育所整備計画」をつくり保育所の拡充・整備をすすめます。学童保育を量質ともに整備します。子育てへの不安や児童虐待などの問題にこたえるための相談・支援体制を拡充します。
 なお、子育て支援の政策については、この項目にとどまらず、社会保障や教育などの分野にもまたがっていますので、詳しくは以下のサイトを参照していただければ幸いです。

http://www.jcp.or.jp/seisaku/2008/20080925_senkyo-seisaku-mokuji.html


国民新党
 親の子育て支援については、国の将来を考える上で極めて重要であり、例えばゼロ歳児保育施設の公営化等を進めたいと考えています。


公明党
 公明党は、地域における子育て支援に重点を置き、親が子育ての不安や悩みに対応する為の「地域子育て支援センター」を全国に設置促進しております。今後、生後4ヶ月までの全戸訪問(こんにちは赤ちゃん事業)などで、決め細やかに親への子育て支援の充実を図っていきます。

3-2:所謂『盗撮物』と言われる映像や画像がインターネット上に公開されたり、販売されるなど、盗撮そのものが深刻な社会問題になっています。

 これは児童のみでなく、成人の被害者も存在していますが、党としてなんらかの盗撮防止策を制定する必要性は感じておりますでしょうか?

民主党
 検討中の事項です。
共産党
 なんらかの盗撮防止策は必要だと考えます。防止のためにどのような内容、方法をとるべきかということは、関係機関や専門家などの意見をよく聞きながら、国民的な合意も得ながらまとめるべきだと思います。
国民新党
 盗撮防止については、著作権法の中で検討すべきものと考えています。
公明党
 盗撮については、現行の軽犯罪法及び、各都道府県の条例で厳正に処罰されていると考えています。

3-3:児童ポルノを取り締まる方針として、ご自身及び党の考えに近い物をお選び下さい。

A.とにかく児童ポルノと思われる写真や創作物は取り締まるべき。
B.明確で誰にでも判り易い基準を設けた上で、実写児童ポルノを取り締まるべき。
C.明確で誰にでも判り易い基準を設けた上で、実写・創作物に関わらず、児童ポルノと思われる物は取り締まるべき。
D.上記に当てはまるものが無い場合、ご自身の考えをお書き下さい。

民主党
 B(2008年6月の中間報告の段階での考えです。)

共産党
 D.児童ポルノについては、基本的に現行法で取り締まることが可能だと考えます。
国民新党
 Dに該当;被害児童の人権侵害を取り締まるべきものと考えます。
公明党
 D 子どもたちを守るため、そして人道、人権擁護のためとの本来の目的に立ち児童ポルノの氾濫を阻止しようと、与党で「児童ポルノ禁止法」改正案をとりまとめ、国会に提出しました。
 その中で、児童ポルノに係わる行為の実情、児童の権利の擁護に関する国際的動向等にかんがみ、児童ポルノをみだりに所持すること等を禁止するとともに、自己の性的好奇心を満たす目的での児童ポルノの所持等を処罰する罰則を設けました。
 公明党は改正案の早期成立を図りたいと考えています。

3-4:冤罪事件の予見可能性について。

A.冤罪事件が起こる可能性は、立法段階では考慮せず、司法の判断に任せるべき。
B.定義の明確化を行い、冤罪事件の可能性を立法段階で限りなく小さくすべき。
C.上記に当てはまるものが無い場合、ご自身の考えをお書き下さい。

民主党
 C 設問で用いられている「冤罪」の意味が不明ですが、通常の意味での冤罪については、どのような刑罰法令についても虚偽の自白の強要や証拠の捏造などによるフレームアップ(事件のでっち上げ)の可能性はつねに存在するため、一般的に捜査手法の適正化などが求められていると考えます。他方、通常の意味での冤罪とは別問題と考えますが、児童ポルノ規制に関しては、法律の定義や構成要件があいまいであるために、捜査当局などの判断次第で処罰対象が必要以上に広がったりすることのないよう、立法段階で十分に検討する必要はあると考えます。
共産党
 B


国民新党
 Cに該当;単純所持や架空の創作物については法規制の対象外とし、冤罪事件を防ぐべきものと考えております。


公明党
 C 与党でとりまとめ、国会に提出した「児童ポルノ禁止法」改正案には、国民の権利を不当に侵害しないように、児童に対する性的搾取及び性的虐待から児童を保護しその権利を擁護するとの本来の目的を逸脱して他の目的のためにこれを濫用するような事があってはならないと既定しています。
 改正案の成立後は、この規定に従って厳格に運用すべきと考えます。

|

« 腐った木鐸は鳴らない | トップページ | 全開!!京成杯と日経新春杯2009 »

表現規制」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/76978/27133904

この記事へのトラックバック一覧です: 児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律改正に関する公開質問状と回答:

» 【教育】河合塾・教育出版・Z会:テスト専門会社、AO学力検査など…教育委員会や企業にも販路拡大方針 [09/01/13] [【究極の宗教】Physical Mankindism【PM】 by Humitaka Holii (堀井文隆)]
http://anchorage.2ch.net/test/read.cgi/bizplus/1231803956/ [続きを読む]

受信: 2009年1月16日 (金) 16時52分

« 腐った木鐸は鳴らない | トップページ | 全開!!京成杯と日経新春杯2009 »