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2008年9月12日 (金)

犯罪統計を見ないセキュリティ機器メーカー

相変わらず脳内ソースを使う人だなぁ。

SAFETY JAPAN:車が水没、そのときあなたは? ― “身近な緊急事態”への対応マニュアル ―

なんで車の水没事故の記事に、脈絡もなく通り魔事件を混ぜますかね。

緊急事態への対策は単純なものを身につける

 身を守るといえば、最近、増えている通り魔への対応も考えておくべきだ。

 もし、ナイフを振り回しているような人間を見たら、上着や服を脱ぎ、利き手とは反対の腕に巻き付ける。つまり、右利きならば左腕に巻いて防御の態勢をつくる。

 普通、無防備でナイフを前にすると恐くて立ちすくんでしまうものだが、上着一つでも巻いていると、それだけで自分を落ち着かせる効果がある。防御の姿勢を取れば、暴漢も面倒だと思ってわざわざ襲ってこない。

 夏場で薄着のとき、女性は困る。そうした場合は靴を脱いで、やはり利き手と反対側に持ち、防御に使うのもいい。傘があれば、暴漢に対して突き刺す姿勢を見せる。よく傘でたたこうとする人がいるが、傘は横方向の力に弱く、簡単に折れてしまうのでやめたほうがいい。

増えてない増えてない。以下リンクは犯罪白書と新聞記事をソースにしていますので、脳内ソースより信憑性は高いです。少なくとも、原典に当たることが可能。

少年犯罪データベースドア

拙著『戦前の少年犯罪』に「戦前は通り魔がやたらと多いのが特徴で、ほぼ毎日、全国どこかの新聞で記事を読むことができます。」と書きましたら、この表現が大げさではないかと引っかかる方がいたようですので細かいことを記しておきますが、私が目にしたものだけで年に200件近い通り魔の記事がありまして、私が読んでいるのは全国の新聞の半分もありませんから「ほぼ毎日」というのはほぼ正確だと思われます。まあ、きっちり数えているわけではありませんので、あくまで「ほぼ」の話ですが。なお、その記事は「これで5件目」とか「7件連続」とかいうのがちょくちょくあるので事件件数は非常に多いです。

通り魔の統計は、『昭和58年版 犯罪白書』にある、昭和56年(1981)は254件発生、うち少年による事件は30件、昭和57年(1982)は182件発生というのが唯一のような気がします。

ちなみに今年の通り魔発生件数は9月時点で8件。コナンなら『あれれー』とか言うレベル。

でね、こういういい加減なことを書いてると、防御姿勢をとれば暴漢が襲ってこないとする根拠もすごく怪しくなってくるんですよ。伝聞なら信頼できる根拠を挙げてほしいし、体験したのならそれを詳しく語ってほしい。年十数件のレアケースとはいえ緊急時の心の準備については異論ありませんが、命がかかっている場面を想定するとこの記事はあまりにも杜撰すぎる。

競走馬の父親を間違うレベルの当ブログでさえ、間違いを指摘していただいたら訂正するのですが、企業が運営しているサイトのコラムで統計にも当たらず妄言を繰り返したり、読者からの指摘を無視するのはいかがなものかと思います。

ここまで根拠のない体感治安の悪化を繰り返されると、コラムの筆者がセキュリティ機器の会社を経営していることから考えると、マッチポンプじゃないのかと疑わざるを得ません。

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