『あ』で始まる
構想だけは持ち続けていたのですが、予定していた『あの頃ぼくらはアホでした』(東野圭吾)がどうしても見つからなくて諦めました。引越し前には確かにあったのになぁ。というわけで、記念すべき第一回のために購入したのは…
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中学生の『わたし』が、一枚の写真をきっかけに出会った『あなた』への手紙という形式で綴られています。話し言葉調ですが、文章はきれい。改行が多いのと、鍵括弧をつけずに会話の部分を書くのが特徴です。形式は手紙なのでこういう方法もいいのではないでしょうか。
基本的には『わたし』の一人語り。二人の関係において『あなた』は出会いの時以外はあまり積極的に動きません。『わたし』のとった行動に応える形で何かをすることはありますが、全く反応しないこともあり『わたし』をやきもきさせます。違う学校に通っているため会う機会もなかなかなく、『わたし』は『あなた』へ頻繁に手紙を書くのですが、これもたまにしか返ってきません。終盤になると『わたし』と会っていない時の『あなた』が何をしていたかがようやく分かります。
人生の、ごく早い時期に『この人しかいない』という人に会えることは果たして幸せなことなのでしょうか。僕はまだそういった方に出会ったことはないのですが、いないならいないで特に支障がなかったりもします。
帯に著者の年齢が書いてあったのは余計だったような気が。売り文句になるものは何でも使うという姿勢は分からなくもないですが、一時期J-POPでグループの平均年齢を前面に出してたのを思い出します。
あと、この文章書いてて自分の文才のなさを痛感。がんばれ26歳。
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