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2006年5月22日 (月)

守・破・離

 またもや顧客満足度のお話。

 会社のボスがお客様に感動してもらうにはどうしたらいいかの資料を会議に持ってきました。例のディズニーランドの話とか、飛行機好きだった子供を偲んで遺影を持ち込み景色を見せようとした夫婦に三人分のドリンクを出したフライトアテンダントの話とか。なんだ、みんな同じことやってやがんな。

 その中で気になったのが、『ファーストフードでハンバーガーを10個頼んだら「こちらでお召し上がりですか」というようなマニュアル主義では顧客を感動させられない』云々の文章。ああ、マニュアル否定派大喜びですね。

 確かに一人で10個食べる人というのは常識的に考えればあまりいないでしょう。でも、注文したお客さんの連れがちょっと遅れてくるとしたら?店の構造によってはカウンターの死角に連れの人がいても分からないかもしれません。連れの人が席を確保している可能性は?もしかしたら、ただ単に言い間違えなのかもしれません。僕なんて『とんこつラーメンニンニク抜き』を『ニンニクラーメンとんこつ抜き』と言ってしまうようなことはしばしばあります。一人が10個のハンバーガーを頼んだから持ち帰りに違いないというのがそもそも思い込みのマニュアル主義だと思います。

 世の中にはディズニーのいい話にイラっときたり、内面的な部分に踏み込んでくるのを嫌う人もいるのです。そういう人間にとって、感動させられる接客より機械的にこなす接客のほうが心地よいことだってあるのです。

※本当は『じゃあ、店で10個食べてみてボスをギャフンといわせてやろう』と思ったのですが、調べてみたらやってる人多数。やっぱり『こちらでお召し上がりですか?』は正しい。

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